平成28年1月からマイナンバー制度が導入されましたね。マイナンバー制度ってよくわからないですよね。現役市役所公務員の私でも未だによくわかりません。導入されてから2ヶ月が経過したので、市役所の仕事とマイナンバー制度を絡めてお話してみたいと思います。
マイナンバー制度とは?
国民ひとりひとりが持つ12桁の番号。
今後、税や年金、雇用保険など行政手続きに使います。
マイナンバーの利用により、税や、年金、雇用保険などの行政手続きに必要だった添付書類が削減され、これらの手続きでの皆様の利便性が高まります。
行政事務の効率化や、公平な各種給付の確保などが実現できます。
要はひとり1つの番号の中に色々な情報を集約させて、行政手続きを簡単にしますよって話ですね。
私は市役所で介護認定担当で昨年(今年度)から働いているのですが、行政事務の非効率さを感じていたのでどんな風に変わるのか楽しみにしていました。
個人番号をパソコンに入力すれば、あらゆる情報が出てきて一気に行政事務を処理してくれる。色々な課にたらい回しにされる住民の皆様が、1つの窓口で手続きを済ませることができる。こんな世界を想像してました。
でも直前の12月になっても、何も動きがない。
結局変わったことって何?
行政の各種申請書にマイナンバーを書く欄が追加されただけです!
もう一度言います。
行政の各種申請書にマイナンバーを書く欄が追加されただけです!
もう一度だけ言わせてください。
行政の各種申請書にマイナンバーを書く欄が追加されただけです!
添付書類も減っていません。
効率化なんて一切されていません。
むしろ、マイナンバーをチェックする行政事務の手間が増えました。しかも電話番号より長い12桁をチェックする必要があるわけです。さらにマイナンバーの記入欄には、
電話番号のように「ー」で3桁もしくは4桁ごとに区切られているわけではないので、チェックがしづらいです。
住民の皆様の手間も増えた
今までは各種申請書を提出していただくのに、特に身分証などは必要ありませんでした。しかし、マイナンバーが導入されたことで2016年1月以降,税や社会保障などの手続きにおいてマイナンバーの記入や提示が必要となります。これらの手続きでは,これまでの必要書類に加え
(1) 正しい番号であることを確認できる書類(番号確認)
個人番号カード,通知カード,個人番号が記載された住民票の写し
(2) マイナンバーの正しい持ち主であることを証明する書類(身元確認)
個人番号カード,運転免許証など
がさらに必要になりました。
総務省が謳っている税や、年金、雇用保険などの行政手続きに必要だった添付書類が削減され、これらの手続きでの皆様の利便性が高まります。というのは真っ赤な嘘です。少なくとも現在は。
本当の意味でマイナンバーを導入すると公務員は自己否定する必要がある
公務員の行政事務って民間企業がITを駆使して1人でやる仕事を、5人とか6人、中にはもっと人数を使って手作業でチェックにチェックを重ねてやる仕事です。なんでこんな非効率なことをやるのかというと市民から強制的に徴収している税金を使っているからという理由が1つあります。
もしマイナンバーと同時にシステムを導入すると、今まで5人でやっていた仕事が1人で済んでしまいます。
今までの行政事務、非効率かつ手作業をぶち壊す必要があります。
毎年退職した人数と同じ数だけ、採用をしている人事体制も見直す必要があるわけです。5人が1人で済むわけですからね。
数年後が楽しみなマイナンバー制度
少なくとも現在は総務省が謳っているマイナンバー制度は実現できていません。
体制も全く整っていない状態で、よく世に出したものだと思います。
本当の意味でマイナンバー制度を実現するには、かなりのシステム費用がかかります。
それを貯金もない、収入もない地方自治体がどれだけ実現できるのか?(無理でしょ)
数年後が楽しみです。
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